こんにちは、FL.OPSの中の人、山本です。
今回は、Azure Advent Calendar 2014 の連動記事になります。
Azure 関連で何かネタはないかと考えて、ちょうど同僚の松本氏が LinuxのBtrfsとAzureを組み合わせて 費用を抑えVirtualMachineのI/O性能を高くする方法をBLOGに載せていたので、それを盗用してWindowsでやってみます。
題して
「Windows Server でお金をかけずにAzure VirtualMachineを高速化をやってみた」
内容は以下です。
１）Azure VirtualMachine上で複数ディスクを使いRAID0を構築する。
(Azureは、ディスクの数ではなく使用した領域に課金されるため複数台ディスクでも料金は同じ)
２）ディスク性能を計測する
「CrystalDiskMark」を使用して、通常のディスクとRAID0で構築したディスクの速度を検証。
まずは、構築。
構築編
１．Azure VirtualMachine上にWindows Server 2012R2 を作成します。
(手順は省略)
２．作成したWindows Server にディスクを接続します。
Azure管理ポータルからWindows Server の[ダッシュボード]を選び、[ディスクの接続]-[空のディスクの接続]を選びます。
ディスクの設定は以下のようにします。
サイズは使用した分しか課金されないため1023GB(1TB)。
３．２と同じ手順で、もう１台ディスクを接続します。
４．Windows Server上で、RAID0を構築します。
Windows Serverの[サーバマネージャー]-[ツール]-[コンピューターの管理]-[ディスクの管理]から、追加された[ディスク２]を右クリックし [ディスクの初期化]を選びます。
[ディスク２][ディスク３]が選択されていることを確認し、[GPT]で初期化します。
初期化されたディスクを右クリックし[新しいストライプボリューム]を選択します。
選択されたディスクに[ディスク２][ディスク３]を追加して、次へ
任意のドライブ文字を割り当てます。
[クイックフォーマット]にチェックを入れます。
(クイックフォーマットにすることで使用した分だけ課金されます)
内容を確認し[完了]を押下します。
確認メッセージが表示されるため[はい]を押下します。
作成したボリュームのレイアウトが[ストライプ]で、状態が[正常]であることを確認します。
５．検証用に比較対象となる通常のディスクを構築します。
検証編
作成したRAID0の領域の読み込み速度と書き込み速度を計測します。
今回は「CrystalDiskMark3.0.3 x64」というソフトを使用しました。
CrystalDiskMark
http://crystalmark.info/software/CrystalDiskMark/
検証対象は以下です。
- Eドライブ (2台のディスクをRAID0で構築)
- Fドライブ (通常のディスク)
検証内容は、CrystalDiskMarkのデフォルト設定(1000MBのデータの読み込み/書き込みを5回計測)で行います。
検証結果
Eドライブ(RAID0)
Fドライブ(通常ディスク)
<まとめ>
- RAID0(ディスク2台)で構築したディスクの場合、通常のディスクに比べ、シーケンシャルアクセス、ランダムアクセスとも高速化することができた。
- クラウド上でRAID0でディスクを構築して効果があるのか不明であったが、RAID0 で構築して効果があることがわかった。
- 試しにディスク3台でRAID0で構築してみたが、性能はディスク2台と同程度であったため、2台以上増やしても効果はなさそう。
- 障害のリスクは上がるが、同じ利用料金で、ディスクI/Oを高速化できるため、RAID0で構築するのも検討の余地はありそう。
